保証制度一覧
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流動資産担保融資保証
中小企業者が有する売掛債権および棚卸資産(以下「流動資産という。」)を担保とした融資に対する保証を行うことにより、事業資金の調達について、円滑化・多様化を図ることを目的とする制度です。
本制度の仕組み
1.保証概要
保証形態 |
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保証限度額 | 2億円(保証協会が申込金額の80%を割合保証するため、融資限度額は2億5,000万円となります。) |
保証料率 | 年0.68% |
資金使途 | 事業資金 |
担保 | 申込人の保有する流動資産のみを譲渡担保として徴求 ただし、個別保証の場合は、売掛債権のみを譲渡担保として徴求 |
保証人 | 必要となる場合があります。 ただし、法人代表者以外の連帯保証人は不要 |
保証期間 | 根保証:1年間(更新は妨げません、ただし2回まで) 個別保証:1年以内 |
貸付形式 | 当座貸越(根保証の場合) 手形貸付(個別保証の場合) |
各信用保証制度については、保証協会本所または、田辺支所の各担当窓口へご照会下さい。
2.ご利用にあたって
- 本制度で担保となる売掛債権とは、日本国内の事業者に対して、契約に基づいて物品の納入・役務の提供等を行ったことにより取引先へその代金を請求した段階の債権(売掛金債権、割賦販売代金債権、運送料債権、診療報酬債権、工事請負代金債権、その他の報酬債権)が対象となります。ただし、役務の提供等が完了する前の売掛債権(未発生債権)を担保とすることもケースによっては可能です。
- 本制度で担保となる棚卸資産とは、中小企業者が行う事業より生じ又は生じる予定のものであり、かつ申込人の決算書に計上され又は計上される予定のものが対象となります。ただし、動産譲渡登記ができない不動産商品や自動車等は対象となりません。
- 本制度の利用は、一申込人につき、一信用保証協会に限ります。
- 売掛債権の第三債務者と申込人の間に原則として取引基本契約の締結があること(同等の契約を含む)を要します。また、根保証の場合は、第三債務者と申込人の間に原則として取引の継続を要します。
- 「根保証」と「根保証」の併用は不可です。
- 「根保証」と「個別保証」の併用は可能ですが、併用する際は第三債務者が異なることを要します。
- 売掛金が受取手形により回収されることが予め約されている場合、当該売掛金回収日に当該受取手形を担保手形として差入れを受ける「化体手形」の取扱いが可能です。
- 以下の売掛債権は本制度の担保として徴求できません。
- 譲渡禁止特約のある売掛債権(ただし、特約の解除が可能な場合は除く)
- 入金遅延中、回収見込のない売掛債権
- 回収期日や金額が確定していない売掛債権
- 既に他の担保に譲渡されている売掛債権
- 借入債務と相殺が予定されている売掛債権 など
3.お申込みから融資実行、返済に至るまでの流れ
- 本制度のお申込窓口は既往取引先金融機関になります。
ただし、新規に取引を開始する場合であっても、取扱金融機関が認めたときはこの限りではありません。
お申込にあたり、金融機関にて本制度に係る重要事項をご説明させていただきます。 - 金融機関にて所定の申込書類一式を受領後、申込人並びに売掛債権の売掛先(第三 債務者)・棚卸資産に対する審査を行ないます。
- 金融機関経由で、当協会に保証依頼をいただきます。
- 保証申込受付後、当協会に於いても、申込人並びに売掛債権の売掛先(第三債務者)・棚卸資産に対する保証審査を行います。
- 保証決定後、金融機関宛に信用保証書を発行します。また、あわせて第三債務者毎の掛目を通知します。対抗要件の具備で、債権譲渡登記・動産譲渡登記を行う際は同登記申請書を送付します。
- 金融機関にて下記の貸付準備や担保設定手続きを行います。
- 「債権譲渡担保契約証書」及び「特約書」の徴求。ただし、化体手形の場合は、これら契約書等に代わり別途「担保差入証」を徴求します。
- 「対抗要件」を具備します。※ 詳細は「4.対抗要件について」をご参照下さい。
- 根保証の場合は、別途「貸越口座」を開設します。
- 金融機関にて手形貸付による融資実行後、貸付実行報告書を保証協会宛に送付(根保証の場合は、第1回貸付実行時のみ送付)します。
- 手形の支払期日に 根保証の場合は「貸越口座」、個別保証の場合は原則取扱金融機関名義による「別段預金」より充当し、当該融資金を返済(完済)します。
- 根保証の場合は、「借入請求書」または「借入専用小切手」等をお客さまから徴求の上、上記7.と8.を設定極度額および保証期間内で反復継続して行われます。
4.対抗要件について
債権譲渡を行う場合、譲渡人及び譲受人の合意だけで債権移転の効果は生じますが、この効果を債務者或いは他の第三者に対抗するためには、債務者への通知、債務者の承諾、または動産債権譲渡特例法上の登記が必要となります。
自分が債権を譲り受けて債権者になったということを債務者に主張するために、或いは同一債権を二重に譲る受けた者の間で、また債権の譲受人とその債権を差し押さえた譲渡人の債権者との間で優劣を決する場合には対抗要件が問題となります。
従いまして債権を譲り受ける場合には、対抗要件を具備することが必要となります。具体的な具備方法については以下のとおりです。
対抗要件 (1から3の中から申込人が選択) |
具体的手続 | 備考 | ||
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売掛債権 | 1 | 売掛債権の譲渡に関して、売掛先の承諾を得る。 | 保証決定後、借入前に、売掛先から「承諾書」をもらう。 | |
2 | 売掛債権を譲渡したことを、売掛先に通知する。 | 保証決定後、借入前に、「通知書」を売掛先に郵送する。 | ||
3 | 売掛債権を譲渡したことを債権譲渡登記所に登記する。金融機関が必要と判断した時点で売掛先に通知する。 | 保証決定後、借入前に、債権譲渡登記手続きを行う。 | 申込人が法人の場合に限られ、登記の結果が、債権譲渡登記事項概要ファイルに記載されます。 | |
棚卸資産 | 棚卸資産を譲渡したことを動産譲渡登記所に登記する。 | 保証決定後、借入前に、動産譲渡登記手続きを行う。 | 申込人が法人の場合に限られ、登記の結果が動産譲渡登記事項概要ファイルに記載されます。 |
※「個別保証」の場合における対抗要件の具備は、1または2に限ります。
※「個別保証」において、貸付時点で既に売掛金が化体した受取手形を引当とする場合は上記の対抗要件は不要です。
5.流動資産の評価(掛目)について
- 売掛債権を担保とする場合
融資金額は、返済の引当となる売掛債権額に、下記に定める第三債務者ごとの「信用力」と「対抗要件の具備方法」に基づく掛目(%)を乗じた金額を上限とします。
なお、役務の提供等が完了する前の未発生債権を返済引当とする場合は、別に定める計算式に基づき算出します。 - 棚卸資産を担保とする場合
融資金額は、担保となる棚卸資産の直近の簿価に掛け目を乗じた金額を上限とします。なお、棚卸資産担保の掛け目は原則として30%となります。
売掛債権 評価率(掛け目)
売掛先→ | 一般企業(A) | 店頭、新興市場、上場有配企業(B) | 官公庁、上場有配企業(C) |
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対抗要件↓ | |||
抗弁放棄の 意思表示を 含む承諾 |
80% | 90% | 100% |
売掛先 への通知 |
75% | 85% | 95% |
留保 (債権譲渡登記) |
70% | 80% | 90% |
※流動資産担保融資保証を地方公共団体の融資制度等により取り扱う場合は、各制度要綱の定めるところによるものとします。
なお、別途取扱金融機関の担保管理手数料が必要となる場合があります。
詳細につきましては、当協会保証事務課、田辺支所業務課又は取引のある金融機関へお問い合わせください。